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最近、缶飲料を買うときに気付いた事がある。それは、店頭に並んでいる缶飲料の缶にアルミ缶が増えたと言う事である。自分が幼かった頃は、缶と言えば踏みつけてもなかなか潰れない頑丈な缶、つまりスチール缶が大半だったような記憶があるのだが本当に最近はアルミ缶が多くなったと思われる。そこで自分は、アルミ缶の増加の具合をまずデータによって調べ、実際アルミ缶が増加しているのならばその理由、そしてそれに伴う問題点等を調べて見たいと思う。 では、実際世の中には、どれほどのアルミ缶が出回っているのだろうか。統計によれば、2001年現在の日本全体の飲料缶に占めるアルミ缶は、50.1%、約174億缶である。ちなみに自分の幼かった頃(1985年)は18%だと言うから、アルミ缶が増えたと言う自分の実感は思い過ごしではなかった様だ。 しかし、なぜアルミ缶が急激に増加したのであろうか。自分が今まで知っていた理由は「軽量で持ち運びに有利」と言う事だけであったが、調査によると、その他にも、「容器としての中身を保持する性能」「リサイクル」のしやすさと言う点が挙げられるようだ。 まず、前者の「容器としての中身を保持する性能」と言う事だが、アルミ缶は飲料水の容器中でもこれに長けている。現に紙パックでは、衝撃に弱いと言う致命的な欠点がありそして、一般的なスチール缶は、缶の耐蝕性の低さにネックがある。一方、アルミは弱いと思われがちだが実は他の金属を添加したり熱処理を施す事により、強度は飛躍的に増す。中には鋼鉄に匹敵する物もある。そして空気中で自然に酸化しやすい性質があり、酸化する事により表面に酸化アルミニウムの皮膜が形成される。この皮膜がアルミニウムを腐食から防ぐ作用をもっているのだ。(自己腐食防止作用)。ゆえに、アルミ缶は従来の飲料容器の弱点をクリアしている。缶の役目とはそもそも中身を守る事であるだけに、これはなるほどと思わせられた。 そして、後者のリサイクルと言う事だが実際、これからの時代はこれが一番重要なポイントとなるのであろう。と言うのも、アルミ缶のリサイクルへの対応度は目を見張る物がある。たとえば従来のスチール缶と比較して見ると、確かにスチール缶もリサイクルは可能であり、実際それが行われているのだがそれは鋼材などにしかリサイクルができないのである。それに対してアルミ缶は何度でもアルミ缶としてリサイクルできるのだ。つまりスチール缶はまた作ろうと思えば地球の資源である鉄鉱石を掘り出す必要が生じる事になる。その上にスチール缶のほとんどはプルタブ部分にアルミが使用されており
(バイメタル缶と言う)、この部分のアルミは分別される事なくスチールとして回収されてしまう事が殆どであり、このアルミが無駄となっているのだ。それを考えればいかにアルミ缶がリサイクルに向いているのかを窺い知る事ができよう。実際、資源の有効利用が叫ばれる現在、アルミ缶のこのような利点が買われ、スチール缶入りが定番であった缶コーヒー、野菜ジュースにも、アルミ缶を採用した物が増加しているそうだ。この具合であれば今後もますますアルミ缶のシェアは拡大する事が予想される。実際、アメリカの缶ジュースの缶はその100%がアルミ缶だと言う事だ。 しかし、いい事尽くめのように聞こえるアルミ缶だがもちろん弱点もある。その代表格が缶の製造にかかるコストが大きいと言う事だ。まず、アルミの元となる鉱石、ボーキサイトは埋蔵量が決して多いとは言えない。ゆえに高級品なのである。そして、そのボーキサイトを精錬してアルミを生み出すわけだがここで膨大な電力を消費する。アルミが「電気の缶詰」と呼ばれる所以だ。そう、アルミはリサイクルの際は精錬の際の3%程の電力で済むのだがボーキサイトを精錬して作り出すとなれば相当な金がかかる代物なのだ。ゆえにアルミ缶はスクラップとしての価値も高い。であるから、これをリサイクルに回さずに捨ててしまうと言う行為は非常に無駄な事であり、困った事なのである。アルミ缶はリサイクルしてなんぼの物であるから、これを取り扱う人間の行為いかんでは「単なる無駄」ともなる可能性を秘めた諸刃の剣なのである。現在の日本のアルミ缶回収率は70%強である。これを高いと見るか低いと見るかは個人次第だがここまで述べたアルミの事情を考慮に入れれば残りの30%は回収されていないのはもったいないと見るべきではないのだろうか。しかも、現在のアルミ缶はふたの部分とボディーの部分の材質が同じアルミでも異なっているため、日本の回収アルミ缶の再生率は約40%(アメリカは83%)と低い数字にとどまっている。この数字を改善すべくメーカーも日々研究を行っている。 残念ながらこのような実情のため、実際のところまだ、アルミ缶はその秘めた素晴らしい力を発揮していない。この力を精一杯まで引き出してやり、アルミ缶を無駄にしないためにもまだまだ私たちの努力が必要なようだ。 [参照] アルミ缶リサイクル協会 http://www.alumi-can.or.jp/ |
