ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHDとは?

アメリカの精神医学の世界で定義された症状で、Attention Deficit Hyperactivity Disorderという英名が付いていてその頭文字を取ってADHDと呼ばれます。これを日本語に訳すと「注意欠陥多動性障害」となります。

年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすという状態を指します。具体的にこれをリストにすると、以下のような感じです。


ADHDの症状は?

ADHDの症状としては、上記の3つの要素が色々と絡み合った形で発現します。その結果、例えば「同じ場所にじっとしていられない」「集中力の欠如」「忘れっぽい」「行動が衝動的になる」といった状態になり、日常生活に支障をきたしてしまうような状態になるといったものです。

主にADHDは小学生程度の子供が罹患していて、授業中でも授業に集中できずに、席から立ってしまって、教室中をいろいろと歩き回ったりしまうといったケースが多いと言われています。

しかし、最近では、子供だけではなく、成人のADHDも注目されています。軽症の場合は大人になると症状が目立たなくなる例もありますが、2〜10%の大人がADHDの診断基準にあてはまるといいます。

子供のときに見られた多動性や衝動性は一見した限りでは目立たなくなりますが、待たされた時などに無性にイライラしてしまい、貧乏揺すりを始めたり、大事な席でもペンをくるくる回して遊んでしまったり、人の話を最後まで聞くことができず、話をさえぎってしまって、一方的に話してしまったりするような形で現れたりします。

ADHDの大人は本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりすることが多いので悩むことになりがちです。そのため、自尊心が低下して、うつや不安の状態になるケースも多いようです。



ADHDの原因は?

ADHDの原因は脳の「自己のコントロール」などを司るといわれている「前頭葉」と呼ばれる部分に何らかの障害があるとされていますが、決定的な研究結果などは未だに出されていないのが現状です。

ADHDの治療薬は?

ADHDの取りあえずの治療薬は「リタリン」なのですが、ご存じの方も多いかとは思いますが、2007年に乱用が問題となって、ナルコレプシーという病気以外には処方できなくなりました。それまでは「応用」と言った形でリタリンがADHD患者には処方されていたのですが、それが出来なくなっています。

しかし、コンサータというリタリンと同成分なのですが、リタリンよりも持続時間が長い小児用ADHD治療薬が、最近になって登場しました。しかし、これを処方できるのは18歳未満の子供に対してだけ。また、2009年にはストラテラと言うADHD治療薬も認可されましたが、これを処方できるのも18歳未満の子供に対してだけ。ですから、大人向けのADHD治療薬が無いと言った事態が起こりました。

この現状を改善すべく、ようやく2012年になってストラテラの適応が拡大され、ストラテラの成人期の処方が認められました。成人のADHDの治療がようやくスタートラインに達したわけです。

実は私もADHAを患っています。子供の頃から落ち着かない子供でして、そのまま大人になってしまったという感じです。上記に挙げた症状はほとんど揃っています。一番困っているのは、「同じ場所に5分といられない」という点と「衝動的に買い物などの行動をしてしまう点」「すぐに物を無くしてしまう点」です。

また、社会適応性も非常に悪く、就職後まもなくうつ病を発症してしまい、完全に自分に自信が無くなり、なかなか仕事に就く勇気も起こすことも出来ずに大変困っています。

かつての私はリタリンが処方されていました。これは明らかにADHDには効くと思います。ADHDとうつ病に効いていると言った感じを覚えていましたので、一石二鳥のクスリだと思っていました。

私の場合ですが、リタリンを服用すれば、2時間くらいは机に向かっていることが出来る様になります。まあ、この辺が人間の集中力の限界だとは思いますが…。ちなみにリタリンを飲まない状態ですと、色々と気が散ってしまって、やはり5分と持たない感じです。

しかし、リタリンには強い依存性があります。私は一日4錠処方されていましたが、服用していてやはり「依存が怖い」と思ったこともしばしば。現在ではストラテラが処方されていますが、薬価がべらぼうに高い上に、リタリン程の効き目も感じないと言うことで、ADHDは、ある意味放置状態になっています。ADHDの治療の難しさを感じる今日この頃です。





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