ベゲタミンA・B






ベゲタミンA・B

ベゲタミンA.・Bの効能

次の疾患における鎮静催眠/統合失調症、老年精神病、躁病、うつ病又はうつ状態、神経症。

ベゲタミンA.・Bの概要

ベゲタミンAは、向精神病薬である塩酸クロルプロマジン(ウインタミンど同成分)が25mg、塩酸プロメタジン(ヒベルナ糖衣錠と同成分)が12.5mg、そしてフェノバルビタール(フェノバールと同成分)が40mgといった成分がこのような割合で配合されている「配合剤」です。これらの成分の相乗効果によって、緊張やイライラを鎮める働きがあります。

ベゲタミンAは、鎮静作用のある薬をと開発された「抗精神病薬」の一種ですが、主には他の睡眠剤が効かない時の切り札として、睡眠薬として処方されることが多いので睡眠薬に分類してみました。

睡眠薬の処方の方法は色々とあるのですが、一般的には先ず、安全性の高いベンゾジアゼピン系の睡眠薬が単体で処方されます。

それで効かない場合は別の種類のベンゾジアゼピン系のクスリを追加します。例えば「ロヒプノール」を服用していて、ぐっすりと眠れてはいるが、寝付きが悪いといった場合はハルシオンリスミーといった短時間作用型のクスリが追加されます。

それでもダメといった場合は、それに加えてヒルナミンなどの鎮静作用が強い抗精神病薬が追加されます。

そして、それでもダメな場合になって、渋々と処方されるのがベゲタミンということになります。ベゲタミンは我が国最強クラスの睡眠薬と言って良いと思います。

冒頭に挙げたベゲタミンを構成している成分ですが、塩酸クロールプロマジンはそれだけでもかなりの催眠作用を持っています。混乱状態などに効果があり、精神病患者を救った薬として有名なのです。

それに、フェノバルビタール(バルビツール酸系というカテゴリーに属しています)を加えると2倍から10倍程度に鎮静作用が増加します。これを眠りに利用するわけです。

有効成分が半減されている、つまりは冒頭に述べた成分が全て半分であるベゲタミンBという姉妹薬も発売されています。

ベゲタミンの主成分、フェノバルビタールの最高血中濃度時間は1〜2.4時間。血中濃度半減期は95〜131時間です。



ベゲタミンA・Bの副作用

ベゲタミンA・Bは少量を睡眠薬として、医師の指示通りに服用している分には、危険な副作用が頻発する可能性は低いと思いますが、飲みあわせの悪い薬が沢山あったり、あまりにも服用量が多い場合には、立ちくらみや起立性低血圧等が発生する場合がありますし、基本的には体へのダメージが大きい薬です。

また、ベゲタミンA・Bを服用している場合はアルコールは御法度です。副作用が増強されることが分かっています。

ベゲタミンA・Bの場合、服用量が多くなると、手が震えたり、体がこわばったり、尿が出にくくなったり、そして薬に依存してしまうというケースが増えてきます。

睡眠薬として用いる場合は服用のし過ぎだけは絶対に避けるようにして下さい。現在一般的となっているベンゾジアゼピン系の薬よりは、危険性が高いのです。

また、私の担当医によると、ベゲタミン投与時に皮膚疾患を患った患者が多かったとのことでした。因果関係はハッキリとは分かりかねますが、頭の片隅に入れておいてもいいかも知れません。

ベゲタミンの最大の欠点は、致死量の低さですから、自殺願望のある患者さんが服用する際には、細心の注意を払う必要があると言えるでしょう。

ベゲタミンAへの私見

私の場合はベゲタミンAを睡眠前に1錠処方されたことがありますが、気持ち悪いほどよく眠れました。

とにもかくにもベゲタミンA・Bは人それぞれですが、あまり安全性の高い薬ではないと思います。恐らく、医師としても出したくないクスリの中での上位に入るものでしょう。

繰り返しになりますが、ベゲタミンは体へのダメージが大きい薬です。くれぐれも医師の処方通りに服用して下さい。また、おかしいなと思ったらすぐに医師、薬剤師に相談するのが無難だと思います。

そんな危険性を鑑みてか、ベゲタミンは2016年をもちまして製造中止になりました。





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