コントール
成分(一般名) : クロルジアゼポキシド
コントールの概要
コントールは1961年に発売された世界初のベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。同種同効のクスリとしては、バランス、コンスーンなどがあります。
コントールの登場する前は、脳を丸々ダウンさせてしまって、挙げ句の果てには呼吸、そして最悪の場合、心臓まで止めてしまうようなクスリしか無かったのです。
そんな中、「安全性」を売りにしたコントールの登場で、それまで、一般的に広く使われ続けられていた、アタラキシンという抗不安薬をマーケットから追い出してしまいました。
現在我が国で販売されている抗不安薬は、ほとんどがこの、ベンゾジアゼピン系に属しているのですが、そのきっかけを作ったのがコントールだったのです。まさに画期的な新薬の登場でした。
コントールは非常に穏やかな作用の抗不安薬です。他の抗不安薬と比較すると、作用は弱いのですが、長時間効いていてくれるというメリットがあります。
コントールは、ストレスが原因の体の不調(心身症)などにも大変有用なクスリで心療内科領域をはじめとして、精神・神経科以外の各診療科でもよく使われているようです。
例えば、コントールには、こわばった筋肉を緩める働きもあるので、肩こりや腰痛などにも処方されることがあります。
コントールは抗不安薬の中でも、催眠作用も弱く、服用によって眠気を催すことが少ない上に、筋弛緩作用も弱いので、未成年者や老人にも使いやすいお薬です。
しかし、今では更に優れた抗不安薬が沢山開発されてしまって、コントールの影は薄くなってしまいましたが、強い抗不安薬を嫌う、クスリに慎重な医師が処方したり、乗り物酔いのクスリとして、子供に処方するという医師も一部にはいるそうです。
コントールの最高血中濃度時間は1〜5時間。血中濃度半減期は14時間です。この数字からも分かるように、比較的ロングタイプの抗不安薬です。
コントールの副作用
コントールは非常に安全なお薬なので、副作用は殆ど無いと言って良いかとは思われますが、個人差があり、人によっては眠気、ふらつき、けん怠感、脱力感などが発現するケースもごく僅かですが、あるようです。
また、コントールをはじめとするベンゾジアゼピン系のクスリには、それまで「無い」と言われていた依存が発生することが分かりました。
しかし、コントールは医師薬剤師の指示通りに服用する分には何ら心配はありません。安全性の高いクスリですから、安心して服用してください。
コントールの効能
* 神経症における不安・緊張・抑うつ。* うつ病における不安・緊張。
* 心身症(胃・十二指腸潰瘍、高血圧症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ。
コントールの用量用法
用量は患者の年齢、症状により適宜増減するが、通常下記のとおり経口服用する。
* 成人..1日クロルジアゼポキシドとして20〜60mg(100倍散の場合は2〜6g、10倍散の場合は0.2〜0.6g)を2〜3回に分割経口服用する。
* 小児..1日クロルジアゼポキシドとして10〜20mg(100倍散の場合は1〜2g、10倍散の場合は0.1〜0.2g)を2〜4回に分割経口服用する。