サインバルタ


サインバルタカプセル20mg

サインバルタ
成分(一般名) : デュロキセチン

サインバルタの特徴

サインバルタは2010年に発売された比較的新しい抗うつ剤です。効き目が良く副作用も少ないので人気の高い抗うつ剤の一つです。

サインバルタは、2016年に「慢性腰痛症に伴う疼痛」に対する適応を追加取得しています。これからサインバルタは鬱病などの精神科領域だけではなく、頑固な痛みに対する効果を期待され、内科や整形外科での処方例も増えることと思われます。

サインバルタはSNRIと呼ばれる抗うつ剤で脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンに働きかけ、それらの伝達量を増やすと言うアプローチを取っている薬です。セロトニンが増えることは気分の落ち込みや焦燥感、すなわち不安の改善に効果があり、ノルアドレナリンの増加は意欲や気力の増加につながります。

サインバルタは他の余計な部分には働かない(というのも、古いタイプの抗うつ剤は脳内のアセチルコリンと呼ばれる物質にまで作用してしまい、これによって便秘や口の渇きなどを引き起こしていた)ため副作用も少なくなっており、従来の抗うつ剤に多かった「便秘」「動悸」「口の渇き」「尿が出にくくなる」などの副作用が起こる頻度が非常に低くなっています。

また、サインバルタには、鬱病などに伴う体の痛み、いわゆる、心因性疼痛に対する効果も認められています。 体の痛みを覚えて医師にかかったのにも関わらず「原因不明」と言われた経験のある方も多いのではないでしょうか。 そういった痛みにサインバルタが効くといったケースもあるかも知れません。



サインバルタの副作用

サインバルタの副作用は少ないとは言え、中枢神経系の副作用(不安感、頭痛、神経過敏、不眠)が報告されているようです。 また、人によってはひどい吐き気などを催すケースも報告されています。一番多いのは、こういった消化器系の副作用です。

そしてサインバルタで、不眠を引き起こす副作用に見舞われるケースも見られます。サインバルタはセロトニン系と呼ばれる神経に働きかけますが、セロトニンを増やすこの作用により、夜になっても交感神経が優勢な状態が続き、眠りが浅くなってしまうというのがその原因になります。 服用量が体に合っていなかったり、サインバルタ自体が体にあっていないなど原因は様々ですので、サインバルタ服用によって不眠が生じた場合は医師に相談して対策を考えてもらうべきでしょう。サインバルタの副作用が嫌になったりですとか、どうも効き目が今一つなどと思い、自己判断で勝手に服用量を増減させることは避けるべきです。離脱症状など更なる副作用を呼ぶ恐れもあります。とにもかくにもサインバルタの副作用の現れ方には個人差があるので、試してみなければ分からない部分です。

サインバルタは太る?

サインバルタを服用するようになってから太る、即ち体重増加が起きたという話をたまに耳にします。 確かに一理あるようです。サインバルタをはじめとする抗うつ剤には、ヒスタミンをブロックする作用が認められます。 ヒスタミンは食欲を抑える働きがありますから、それがブロックされれば、どうしても食欲が増し、食べ過ぎてしまい、結果的に体重が増加してしまうと言うわけです。また、ヒスタミンがブロック事により眠気を催すことまであります。 太るとか眠気と言った副作用は抗うつ剤を服用してる分にはある程度やむを得ない部分もあります。しかし、サインバルタの抗ヒスタミン作用は、抗うつ剤の中でも低い部類に入ります。つまりはサインバルタは抗鬱剤の中では太りにくい薬です。鬱病になると、どうしても活動量が低下し運動不足や食べ過ぎに陥りがちですから、サインバルタのせいで太るというよりも鬱病そのものがその原因であるケースも多いようです。

また、眠気や太るとか言ったこととは真逆の副作用を訴える方もいます。サインバルタで痩せたと言ったケースもありますが、 脳内を流れるセロトニンの量が増加すると、食欲低下が起こることがあるのですが、セロトニンを増やす戦略をとっているサインバルタの服用によって、それが起こる可能性も否定できませんし、前述したサインバルタの副作用である吐き気によって、食欲が無くなり体重が減ったのをサインバルタで痩せたと勘違いされる方も多いようです。

サインバルタの薬価

サインバルタの薬価は20mgカプセル173.5円、30mgカプセル235.3円と、かなり高めです。発売から間もないためジェネリック品も未発売ですので、薬代の負担が大きくなることは考慮に入れておくべきでしょう。





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