ルジオミール


ルジオミール
成分(一般名) : 塩酸マプロチリン


ルジオミールの効能

うつ病・うつ状態。
【応用】パニック障害、摂食障害など

ルジオミールの用法・用量

通常、成人は塩酸マプロチリンとして1日30〜75mgを2〜3回に分割経口服用する。また、上記用量は1日1回夕食後あるいは就寝前に服用できる。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ルジオミールの概略

1960年代からトフラニール、トリプタノール、アナフラニールなどと言った「三環系抗うつ剤」が次々と開発・発売されるにつれて、その問題点というものが徐々に明らかになってきました。

まずは副作用のひどさ。抗コリン作用という作用によって、体中の水気が無くなってしまうような状態になってしまい、便秘やかすみ目や口渇と言った症状が現れました。

それから、致死量の低さも問題となりました。三環系抗うつ剤はかなり少ない量の服用でも自殺できるという致命的な欠陥があったのです。

そこで登場したのがルジオミール。我が国では1981年に発売された、その名も「四環系抗うつ剤」と呼ばれるカテゴリーに属した抗うつ剤です。 同一成分の薬、ジェネリック品としては、、クロンモリン、ノイオミール、 マプロミールがあります。

ルジオミールはノルアドレナリンに選択的に作用するという特徴があります。これが脳内のノルアドレナリンの量を増やして、神経がよく働く状態にするという働きをします。 こういったルジオミールの作用が「意欲」の増大につながるということです。

ルジオミールは、冒頭に述べたような、トリプタノールなどの様な「三環系」と呼ばれる古いタイプの抗うつ剤の副作用にありがちだった、 「立ちくらみ」、「尿が出にくくなる」、「手が震える」、「便秘」などといった副作用が、 かなり軽減されています。致死量の低さという問題も、それなりには改善されました。

また、ルジオミールには2〜3週間、服用し続けてなければ効果が出ないといわれる 「三環系」よりも、効果の発現が比較的早いという「即効性」も備わったとも言われています。

ところが、巷ではルジオミールは三環系抗うつ剤の副作用を嫌う、クスリに慎重な医師がファーストチョイスとして処方するような「弱い抗鬱剤」として名高いようです。

しかし、弱いとは言ってもルジオミールにはそれなりにちゃんとした薬効があるのです。 よって、副作用も少ないことと相成って、比較的軽い鬱病や鬱状態の患者さんに、前述のような、クスリに慎重な医師がルジオミールを処方することが多い様です。

ルジオミールの最高血中濃度時間は6〜12時間、血中濃度半減期は19〜73時間であると言われています。



ルジオミールへの私見

私の場合は、ルジオミールを飲む前にはアナフラニールを飲んでいたことが一時期ありましたが、 便秘や手の振るえ等の副作用がひどくて、とうとう副作用の厳しさに敗北。そしてルジオミールにクスリを変更したという経歴があります。

ルジオミールはそれから1ヶ月間服用しましたが、特に効果が感じられず、処方箋から消えていきました…。 しかしながら、便秘などの副作用はルジオミールになってからはかなり軽減されたということをルジオミールの名誉のために付け加えておきます。

しかし、SSRIといった種類の抗うつ剤が我が国でも発売された現在、ルジオミールは今後、日陰の道を歩いていくような予感はします。

ルジオミールの副作用

ルジオミールの副作用で一番多いのは「眠気」だと言われています。四環系抗うつ剤は基本的には眠気が強いのが特徴なのです。用法・用量の項に書きましたが、就寝前の投与が認められているのは、この副作用の影響だと思います。

また、ルジオミール服用によって、人によっては食欲旺盛になり、太るというケースも聞いたことがあります。また、逆に、食欲不振になってしまうと言うケースも聞いたことがあります。





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