ルーラン





ルーラン
成分(一般名) : ペロスピロン塩酸塩

ルーランの効能

統合失調症

ルーランの用法・用量

通常、ペロスピロン塩酸塩として成人1回4mg1日3回より始め、徐々に増量する。維持量として1日12〜48mgを3回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、1日量は48mgを超えないこと。

ルーランの概要

ルーランは我が国では2001年に認可が下りて発売された「抗精神病薬」です。ルーランの効能は統合失調症となっていますが、気分が高まってしまって落ち着かなくなってしまったり場合、また、何もしたくなくなるなど停滞してしまった心身活動を改善する働きをしますので様々な精神症状にルーランは応用されています。

ルーランは抗セロトニン作用と抗ドーパミン作用をあわせもつ非定型抗精神病薬と呼ばれます。ルーランは混乱などを起こす原因となる、脳内のドーパミンという神経伝達物質の取り込みが過剰になり過ぎてしまうのをブロックして、「陽性症状(幻覚、妄想、興奮など)」を抑え込みます。

また、セロトニンという、同じく脳内神経伝達物質の取り込みをブロックすることで、陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)を断ち切る働きをします。

簡単に言えば、ルーランは脳内のドーパミン2受容体と呼ばれる部分をブロックすることで、ドーパミン神経系のオーバーヒート状態により起こる陽性症状を抑え込み、また、セロトニン2受容体をブロックすることで、ドーパミン神経系の働きがよくなり、陰性症状が改善すると言われています。

この作用から、ルーランはセロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA:Serotonin-Dopamine Antagonist)などと呼ばれています。

また、ルーランは副作用が少ないため、長期間の服用が容易に出来るので、長期戦に適していると言えるでしょう。ルーランは統合失調症の陽性症状と陰性症状の両方に、少ない副作用で良い効果が出ると期待されているのです。

しかしながらルーランの「陽性症状」に対する効果は弱い方(陽性症状のブロックにはもっと強いクスリが沢山あります)なので、興奮して暴れ回ってしまうような状態など、一般的に言われる「急性期」には不向きのようです。

私の主治医によると、ルーランの鎮静作用は、弱いとされているそうですが、ルーランは副作用が少なくて、過鎮静を起こしにくいので、比較的安心して処方できるクスリだと言うことです。



ルーランの副作用

ルーランをはじめとする、大概のメジャートランキライザーには「体重増加」という副作用があることが多いようです。体質、クスリとの相性などいろいろと原因はあるようですが体重が増えてきたら医師に早めに知らせた方が良いと思います。

また、食生活を見直したり、 1日で少しでもいいから「掃除をする」など、動ける場合は体を動かした方がルーランによる体重増加の予防には良いようです。

ただし、前述致しましたように、ルーランは従来の抗精神病薬に比べ、錐体外路症状と呼ばれる「ふるえ」や「こわばり」などの副作用が改善されているので、比較的快適に服用できるのが特徴です。

しかし、ルーランは鎮静作用が弱いため、服用しても怠くなったり眠気が襲ってきたりすることが少なくて、これらの作用がクスリの効き目と勘違いする方が多いので、患者の間ではあまり人気はないクスリです。

また、ルーランは飲み始めに「立ちくらみ」が起こることがあると言われています。 ルーランの飲み始めの時期は、立ち上がる際は、充分注意して下さい。

そして、ルーラン服用によって、人によっては血糖値が上がることも指摘されています。 やたらに喉が渇いて水分を取りすぎてしまうような状態になった場合も、早めに医師に伝えた方がよいかと思います。

ルーランへの私見

私は2009年2月現在、ルーランを1日12mg服用していました。リスパダールなどと比べたら、効き目、すなわち鎮静作用は確かにイマイチだと思うのですが、とても心地良い、程よいまったり感に包まれます。

ルーラン服用によって、特に副作用も私の場合は出ていないので、「体重増加」にさえ気をつければ、のんびりと服用していて良いような感じがします。




戻る