外傷後ストレス障害(PTSD)


外傷後ストレス障害(PTSD)とは?

今年も熊本県を中心とした地震災害が発生し、被災者の心のケアが重要課題となっていますが、特に災害後に注意すべき精神疾患のひとつに外傷後ストレス障害が挙げられます。外傷後ストレス障害とは、心に加えられた衝撃的な傷が元となり、後になって様々なストレス障害を引き起こす疾患のことです。

心の傷は、心的外傷またはトラウマと呼ばれます。心的外傷後ストレス障害は、地震、洪水、火事のような災害、または事故、戦争と言った人災や 、テロ、監禁、虐待、強姦などの犯罪と様々な原因によって生じ得ます。

人間、イヤなことはさっさと忘れてしまいたいものです。しかし、それを忘れることができずにフラッシュバックを起こしてしまう、大変な方々もいらっしゃるのです。

2016年熊本地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災、そして地下鉄サリン事件、ニューヨークの同時多発テロなど大変多くの人々が尊い命を奪われる災害や事件が起きています。長時間にわたって瓦礫の中で生き埋めになっていた方には.....言葉もありません。

助かった方でも、肉親や友人の死という局面にたたされた方もいらっしゃったことでしょう。どれだけつらい思いをなさったのかはテレビでしか私は見ることしか出来ませんでしたが、どの事件とも、ひどい惨状でした。

PTSDは、前述のような大きなショックによって受けた「トラウマ」「心的外傷」と呼ばれる心の傷が影響し、精神的な失調をもたらす病です。また、最近の精神医学では、いじめ、セクハラ、レイプ、暴行などもPTSDの対象となっているようです。



外傷後ストレス障害(PTSD)の主な症状とは?

外傷後ストレス障害による主な症状としては不安、不眠などの過覚醒症状、トラウマの原因になった障害、関連する物事からの回避、事故や事件、犯罪の追体験(フラッシュバック)、事件前後の記憶の想起からの回避、忘却、感情鈍麻、物事に対する興味や関心の減退、 身体運動性障害、不安や頭痛、不眠、悪夢などの症状を引き起こすことがあります。

外傷後ストレス障害(PTSD)発症の根幹は?

外傷後ストレス障害に罹患するメカニズムというものははっきりとは分かっていませんが、前述のようなトラウマ(心の傷)と遺伝的な精神的脆弱性が絡んでいるようです。

外傷後ストレス障害(PTSD)の療法は?

外傷後ストレス障害に於いてもっとも一般的な療法はトークセラピーといわれるものです。これはカウンセラーの協力を仰ぐ方法で、カウンセラーが、患者のトラウマとなった出来事、その時に感じた事」を聞き出してゆき、フォローを入れていくというものです。しかし、トラウマの原因が重篤なもので「人に話したくない内容」が多くある患者さんの場合にはあまり適用されないようです。

そしてもう一つは「薬物療法」です。憂鬱な気分を和らげるために抗うつ剤が処方されたり、不安を鎮めるためにベンゾジアゼピン系と呼ばれる抗不安薬が処方されたり、睡眠を促す目的で睡眠剤が処方されたりします。薬についての詳しい情報は右サイドのリンクからご覧下さい。




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