アタラックス-Pの効能
- 蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)。
- 神経症における不安・緊張・抑うつ。
アタラックス-Pの概要
アタラックス-Pは、第一世代の抗ヒスタミン拮抗薬と呼ばれるものです。非常に簡単に申し上げますと、要するに、アレルギー物質に対して過敏に反応してしまう脳を沈めて、カユミを抑えようとするという働きをします。
この「脳を沈める」という働きを精神科領域に応用して、不安の軽減などにも利用する。それが精神科領域でのアタラックス-Pの効能なのです。
アタラックス-Pのジェネリック品としてはハタナジンがあります。
アタラックス-Pの面白いところ、それは、低用量で皮膚科領域、高用量で精神科領域に効果が認められているところでしょう。25mgカプセルを一日3カプセル前後を処方されている場合は、皮膚科領域のかゆみ止め。5カプセル程度を処方さているならば、精神科領域の不安止めと言った感じでしょうか。
しかし現在ではアタラックス-Pは皮膚科での処方が主であると言えると思います。最も適しているのは、かゆみで夜も寝付けない人に対する処方。最近はこの手の処方が多く且つ、もっとも適切な処方であると考えられます。
かつてはこのアタラックス-Pは薬局で処方箋無しで購入できる、数少ない「精神安定剤」でありました。しかし、20カプセルで1800円前後と、べらぼうに高かったのです。それでも、どうしても精神科には行きたくない人達による、それなりのニーズはあったのですが、しかし、街の薬局で売ることの出来る程度の薬。と言えば、それまで。実は、効果は気休め程度でありました。
そんなことで、不平とか不満とかがあったのか無かったのかは解りませんが、2005年(だったかな?)にアタラックス-Pは処方箋医薬品になり、街の薬局の陳列棚から姿を消すことになりました。
ちなみに2010年現在、アタラックス-P25mgカプセル1カプセルの薬価は7円。20カプセルで140円。街の薬局ではかつで、この10倍以上の価格で売られていたなんて…恐ろしいですよね。
アタラックス-Pの副作用
アタラックス-Pは、安全性が充分なクスリで重篤な副作用はほとんどありませんが、しかしながら、抗不安薬全般に言えることですが、人によっては「尋常ならぬ眠気」などを催す場合があります。おかしいなと思ったら、すぐに医師に連絡して下さい。
また、妊婦に投与した場合の絶対的な安全性は確立していません。
アタラックス-Pへの私見
僕の場合はこのアタラックス-P、皮膚科で処方してもらいました。前述したのですが、とにかく背中が痒い。あまりにも痒いもので夜も眠られない日々が続いたので、ドクターに訴えたところ、簡単に処方してもらえました。
かなり即効性もあるようで、かゆみが治まった感じがして、充分な睡眠を得ることが出来ました。「かゆみ止め」としてならば安くてしっかりとした効果がある、良いクスリだと思いました。
しかし、アタラックス-Pの抗不安作用というのはちょっと…今一つかなと言った感を正直、受けています。
物は試しと言うことで、ちょっと不安感とか焦燥感を感じた日中に飲んでみたのですが、単に眠くなっただけ。タダでさえ怠いのにその怠さが増幅しただけで、まったく問題解決にはならない。そういった感じでした。
アタラックス-Pは皮膚科のクスリ!! と割り切ってしまっても良いのかも知れません。それだけ、精神科領域に対しては、効果が薄いと言うこと。精神科領域には、もっと良いクスリが沢山ありますし。