ベンザリン


ベンザリン
成分(一般名) : ニトラゼパム



ベンザリンの特徴

ベンザリンは1967年に販売された睡眠薬です。同種同効薬「ネルボン」も有名です。ベンザリンは日本で初めてのベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ベンザリンの様なベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場する前までは、睡眠薬としては、 ベゲタミンやラボナといった「バルビツール酸系」と呼ばれる睡眠薬が主流だったのですが、この系統の睡眠薬は安全性が低く、 致死量も低いという欠点がありました。現在はベンザリンが属しているベンゾジアゼピン系というカテゴリーの睡眠薬が一般的ですが、 このベンゾジアゼピン系の睡眠薬は安全性が高く、万一大量服用しても死に至る可能性が格段に低いというメリットがあるのです。

かつては精神科といえば、入院治療が主流だったので、投薬管理もきっちりと行えたので、危険性の高いバルビツール酸系の 睡眠薬も幅を利かせていたのですが、精神科に外来で通うという時代の訪れと共に、外来患者にも安全で処方しやすい睡眠薬が求められて いたところに登場したのがベンザリンというわけです。

ベンザリンは、血中濃度半減期が28時間という持続時間が「長期型」の睡眠薬です。夜中に目が覚めてしまい眠れないといった 症状に有効とされています。しかしながらベンザリンは、その持続時間の長さゆえに朝まで効果が残ってしまい、 服用を続けて行くに連れて、薬が体内に蓄積されていき、一日中意識がぼんやりとしてしまうといった症状に陥りやすいという欠点があり、 毎日定時に通勤通学をしなければならない方々には、はっきり言って向いていないと思います。また、ベンザリンの最高血中濃度到達時間は2時間程度 と言うことで、速効性があるとも言い難い薬ですので、寝つきが悪い症状の改善にも向いていないと言えるでしょう。

ベンザリンは、過敏になった脳の神経を鎮静化して、ストレスや不安なども取り除くことで、 リラックスした自然な形で眠りに誘うといった作用の仕方をします。

ベンザリンには2mg、5mg、10mgの錠剤、そして細粒と4つの規格があります。10mg錠は綺麗なピンク色で、 かなり外見は好きなクスリでしたが、とにもかくにも次の日の朝まで眠気が残ってだるい…という経験がありました。



ベンザリンの効能

(1)不眠症
(2)麻酔前投薬
(3)異形小発作群、焦点性発作

ベンザリンの副作用

ベンザリンは前述の通り、睡眠薬=危険というイメージを覆した、非常に安全な睡眠薬です。ベンザリンには特に重い副作用は医師の指示通りに正しく服用している限り、ほとんどありません。心配なさらずに決められた量、そして時間を守って服用して下さい。ベンザリンを昼間などに服用すると生活リズムの崩壊、そしてそれは病状悪化の原因のひとつとなりますので要注意です。

ベンザリンへの私見

私はベンザリン5mg錠と10mg錠を服用したことがありますが、5mg錠ではどうも睡眠が浅い状態でした。 そして10mg錠に変更したら、今度は朝起きる時まで薬の効果が残ってしまって眠い…という状態。どうやら私にはベンザリンは 合わないクスリのようですが、ぐっすり眠れないというタイプの不眠を訴えると、比較的ベンザリンは処方されやすいようです。

また、精神神経科ではなくて、内科などで不眠を訴えるとベンザリンや レンドルミンマイスリーが出されることが多いです。

当然のことながら、ベンザリンは脳の神経を鎮静化させる作用をする睡眠薬ですので、服用後は、当然のことながら 眠気を催したり、注意力が散漫になります。服用後は大人しく床に入って、眠気が訪れるのを待ちましょう。 絶対、服用後に危険を伴う作業などはするべきではありません。

また、ベンザリンは一部で言われているのですが、喘息を誘発する可能性が多かれ少なかれあるそうなので、 喘息持ちの方は、その旨を医師に伝えて、防衛策をとるのが賢明です。




戻る