ルネスタ


ルネスタ錠1mg

ルネスタ
一般名:エスゾピクロン



ルネスタの特徴

ルネスタは2012年に我が国での発売が開始された睡眠薬です。ルネスタは「素早く効いて素早く抜ける」という特徴を持った、寝つきの悪さに効果を発揮するタイプの睡眠薬です。添付文書によればルネスタの最高血中濃度時間は0.8時間程度で、服用してから30分位で効果が出始めると言う、世界最速と言って良い睡眠薬のひとつです。ルネスタは非ベンゾジアゼピン系とカテゴライズされます。

ルネスタは2012年と言う最近になって発売されたのだから、さぞかし創意工夫を凝らされた画期的な新薬なんだろうと思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、 それはある意味では正解なのですが、ある意味では間違いになるかもしれません。つまり、ルネスタは一概に画期的な新薬であるとは言えない部分がある薬なのです。

ルネスタが発売される20年以上前の1989年に発売されたアモバンという睡眠薬があります。この薬の成分名はゾピクロン。ルネスタの成分名はエスゾピクロン。 賢明な方なら何かお気づきになったことでしょう。そう、ルネスタはアモバンのいわば、改良型といった感じの薬なのです。

アモバンは、世界でも最速クラスのスピードで効果が現われ、効き目の面ではなかなかの評価を得てはいた睡眠薬なのですが、 飲んでからしばらくすると、胃から苦味が込み上げてきて、最後には口全体に苦みが広がって、翌朝までそれが続いてしまうと言う 大きな欠点がありました。そこでアモバンの苦みを取り去れば良い薬が出来るじゃないかと言うことで開発されたのがルネスタなのです。

アモバンの成分ゾピクロンを科学的に合成するときには2つの物質が左右対称に混ざりあったものができます。片方はS体と言い、催眠作用が強く苦みはあまりない部分で、もう片方はR体と言い、苦いだけで催眠作用もあまりない部分です。 アモバンは、この2つの物質が混ざりあったままの状態で販売されていたわけですが、ルネスタはS体だけ抜き出して、製品にしたと言うわけです。

ですからルネスタはアモバンの「余計な部分」を取り出したわけですから、苦みも少なくなっているうえに「余計な部分」が削られている分、副作用もその分減ったと言うことになります。

ルネスタの作用時間

ルネスタの最高血中濃度時間は0.8時間程度でありますから、服用してから30分位で効果が出始めるあたりはしっかりアモバンのそれを受け継いでいます。 また、ルネスタの半減期は約5時間ですから、効果は5時間くらいで無くなっていくと言うことになります。ルネスタは主に寝つきの悪さに悩んでいる患者さんに適しており、持続時間も程よく、薬の効果が翌朝まで持ち越すことの少ない睡眠薬です。



ルネスタの副作用

ルネスタは副作用が少ないと言われてはいるのですが、速効で効いてくれる代償でしょうか、 服用してからすぐに床に就かずにいると健忘を起こしたり、睡眠時遊行症(夢遊病)の一種による異常行動の発現などが起こったケースもあるようです。 またトイレなどに行くため一時的に起きたときなどにフラフラして転倒してしまうという事故も発生しています。ですから、睡眠途中に一時的に起床する可能性がある場合はルネスタは服用すべきではないでしょう。

それに加えて、ルネスタをはじめとする睡眠剤を服用している間はアルコールは控えたほうが無難です。 アルコールによって副作用が強まるおそれがあります。

ルネスタへの私見

発売して間もないころに、ドクターにリクエストしてルネスタを処方してもらった私です。アモバンが苦みを 除いてはかなり体に合っていたものですから「苦みのないアモバン」ルネスタにかなりの期待をしていました。期待を胸に2mg錠を服用して眠りについた翌朝‥口の中が苦い‥

散々ルネスタをよいしょする記述を致しましたが、苦みは何だかんだ言ってあるようです。ネットでルネスタを服用した人の感想を拾ってみたのですが、 苦みを訴えている人が多かった印象です。実際ルネスタは欧米では新薬としては認められなかった残念賞な薬であります。まあアモバン程の苦みでは無かったのは幸いですが、苦みが苦手な方にはルネスタはあまりお勧めできないかな、そんな印象です。

ルネスタの薬価

ルネスタの薬価ですが、ルネスタ錠1mg51円、ルネスタ錠2mg80.9円、ルネスタ錠3mg102.7円と高めになっていますし ジェネリック品も未発売ですので、ある程度の負担は計算に入れておく必要があるかもしれません。





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