リーゼ/クロチアゼパム




リーゼ
成分(一般名) : クロチアゼパム

リーゼの特徴

リーゼは1979年に発売された抗不安薬で、チエノゼアゼピン系という種類に分類されます。リーゼは、非常に穏やかに作用し、持続時間が短いという特性を持っています。 また、リーゼは筋肉を緩める働きや睡眠作用も少ないため、体への負担が少なく安全性が非常に高いので、 老人や子供にも使いやすいクスリです。

特にリーゼはこの、筋弛緩・睡眠作用の少なさから、老人患者には絶大な人気を誇っていると言われています。 なぜならば、老人患者は、他の抗不安薬ではめまいやふらつきと言った副作用が強く出てしまうケースが多く、 最悪の場合、転倒して骨折という事態に陥ることもあり得ますが、リーゼでは、こういった副作用は出にくいのです。また、肝機能などが落ちている患者にとっても、リーゼの様なマイルドな薬は肝臓にかける負担が少なく、向いていると言えます。

前述の通り、リーゼは非常に安全なクスリなので、初めて精神・神経科にかかった時に、 このリーゼを処方された場合、効けばいいとばかりに、いきなり強いクスリをだす医師が多い中、その医師はかなりクスリには慎重であると言えるでしょう。 その安全性に定評があるため、リーゼは内科医なども気楽に処方して来るケースも多いようです。そもそも、リーゼはストレスなどから来る「心身症」による胃痛や下痢などの症状の改善にもその効果が認められていますから内科医による処方例が多いのもうなずけます。 特に、こういった身体面での症状の出る仮面うつ病の場合は、鬱症状の自覚が無く、社会生活を送る上でも精神的な部分では何ら支障が無く、強いクスリで無理矢理神経を鎮めること、つまり患者を薬漬けにする必要がないため、こういったマイルドな作用のリーゼが理想的なのです。

我が国で発売されている抗不安薬の多くは、外国産のものなのですが、リーゼは純国産のおクスリです。 しかも、リーゼは良くできているクスリなので、欧州市場でも大ヒットしています。 我が国において開発されたクスリは世界市場では通用しない場合が多いのですが、 このリーゼとデパスは世界的にも通用する、 我が国が誇るクスリなのです。

ただし、リーゼの作用は弱いので、軽症の方にはぴったりハマるクスリなのですが、 もっと重篤な症状の方にとっては、効き目が実感できないので、あまり人気はありません。

ちなみに、リーゼの最高血中濃度時間は約1時間で、血中濃度半減期は4〜5時間ですから、リーゼは服用してから数十分で薬の効果が現われ、3時間程度から効果が薄らいでいくと言う「早く効き早く抜けていく」薬であると言えます。



リーゼの副作用

リーゼは非常に安全性が高いことがセールスポイントであるくらいで、重篤な副作用はほとんどありません。 ただし、非常にまれなケースですが、人によっては眠気や倦怠感が発現することもあります。

また、リーゼをはじめとする、チエノジアゼピン系のクスリにも、依存性があります。近年こういった処方薬への依存患者は増加の一方で社会問題化している現状があると言う事実があります。とは言ってもリーゼの場合は、効き目が非常にマイルドですので、クスリにハマってしまうという危険性はかなり低いと思いますので、医師の指示通りに服用する分にはそれほど神経質になる必要もないと思います。 しかし、自分勝手に服用量や服用する時間を調整することは避けるべきです。こういった服用の仕方が依存への入口なのです。

リーゼへの私見

私の場合は初めて神経科にかかった時に抗うつ剤などと一緒に処方されました。しかし、全く効果が感じられませんでした。

やはり、リーゼはマイルドに効くタイプのクスリなんだなぁと実感されました。私の場合は症状がリーゼの守備範囲では無かったようです。

リーゼの薬価

リーゼの薬価はリーゼ錠5mgが6.7円、リーゼ錠10mgが12.3円となっています。また、リーゼのジェネリック品としてクロチアゼパム錠「トーワ」、クロチアゼパム錠「日医工」、クロチアゼパム錠「サワイ」、クロチアゼパム錠「ツルハラ」がありますが、こちらの薬価は若干安い程度ですので、ジェネリックに切り替えても得られるメリットは少ないかも知れません。

リーゼの効能

心身症(消化器疾患、循環器疾患)における身体症状並びに不安・緊張、抑うつ・睡眠障害。麻酔前投薬。自律神経失調症における眩暈・肩こり、食欲不振




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