セルシン






セルシン
成分(一般名) : ジアゼパム

セルシンの効能

【適用】

* 神経症における不安・緊張・抑うつ。
* うつ病における不安・緊張。
* 心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ。
* 次の疾患における筋緊張の軽減//脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛。 _
* 麻酔前投薬。

【応用】 * 子供の熱性けいれん * 緊張型頭痛、チック

セルシンの用法用量

* 通常、成人は1回ジアゼパムとして2〜5mgを1日2〜4回経口服用する。ただし、外来患者は原則として1日量ジアゼパムとして15mg以内とする。

* また、小児に用いる場合には、3歳以下は1日量ジアゼパムとして1〜5mgを、4〜12歳は1日量ジアゼパムとして2〜10mgを、それぞれ1〜3回に分割経口服用する。

* 筋痙攣患者に用いる場合は、通常成人は1回ジアゼパムとして2〜10mgを1日3〜4回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

* 麻酔前投薬の場合は、通常成人は1回ジアゼパムとして5〜10mgを就寝前または手術前に経口服用する。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。

セルシンの概要

セルシンはベンゾジアゼピン系とカテゴライズされる抗不安薬です。ホリゾンも同種同効薬として有名です。

セルシンは我が国では1964年に認可されたクスリなのですが、その薬効の高さから多数の医師や患者に支持されており、セルシンはかなり長い期間、我が国においての抗不安薬のデファクトスタンダードとして支持され、精神科医だけではなく、内科医や、その筋弛緩作用を応用する形で、腰痛や肩こりを訴える患者などに整形外科医なども気軽に処方するようになりました。

また、セルシンはとても有名な上に、よく出来たクスリなので、 同種同効薬(ジェネリック医薬品)としても各社から大量に 発売されています。 パールキット、リリーゼン、リリバー、ジアゼパム「アメル」、コンディション、セレンジン、ジアパックス、 セエルカム、セレナミン、セレンジン、ソナコンなどです。

前述のように、セルシンの成分である「ジアゼパム」は非常にポピュラーなので、うつ状態で不安感があると訴えると、抗不安薬として、 初診のときにパキシルデプロメール の抗うつ剤と一緒に出されることが多いかも知れません。これは、セルシンがとにもかくにも いろいろと応用が利く、使いやすい薬だからなのです。



またセルシンは、前述のように抗不安薬のスタンダードして君臨したため、薬の強さ表す「基準」として用いられるケースも多くあります。例えば「〜というクスリの抗不安作用はジアゼパム(セルシン)の3倍」とかいった感じに。セルシンは、抗不安薬のデファクトスタンダードなのです。

セルシンの抗不安作用は安定剤の中でも比較的強い方で、また、鎮静催眠作用も安定剤の中でもトップクラスです。 そしてセルシンは筋弛緩作用も強い方なので、 こわばった筋肉を和らげることを狙って、前述のように、腰痛や肩こりなどにも使われるケースがあるようです。

セルシンの作用時間は血中濃度半減期が24時間以上の「長時間型」です。セルシンは、一日1回の服用で済む場合もあるかも 知れません。

セルシンの副作用

セルシンは、大変に安全性の高いおクスリです。しかも、長年に渡って使用され続けられているので、 臨床データも豊富です。 よって、向精神薬の中でも、かなり安心して服用できるクスリだと思われます。

しかし、セルシンを始めとするベンゾジアゼピン系の 抗不安薬全般に言えることですが、服用期間があまりにも長期にわたると 「依存」という問題を生み出すことがありますので、そこだけは要注意かと思われます。

セルシンへの私見

私は、パニック障害がかなり辛かった時期にセルシンの同効薬であるホリゾンを服用していたことがありました。 特にたまにやってきて私を苦しめた「動悸」や「胸の不快感」にホリゾンは良く効きました。

また、セルシンにはアンプル薬(注射液)もあり、不安を伴う神経症やうつ病などで、パニック状態に陥ってしまった際に、 それをいち早く鎮めるために使われることがあります。

ちなみに、私がそうでした。いろいろと余計なことを考え出しては アタマの中が混乱してしまい、錯綜状態になった時、何とか救急外来に飛び込み、セルシンを注射してもらうと、 「あれ?自分は何でさっきまであんなに大パニックに陥っていたんだろう??」と数分後には思ってしまうような効き目でした。




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