ノリトレン




ノリトレン
成分(一般名) : ノルトリプチリン塩酸塩

ノリトレンの効能

精神科領域におけるうつ病およびうつ状態(内因性うつ病、反応性うつ病、退行期うつ病、神経症性うつ状態、脳器質性精神障害のうつ状態)。

ノリトレンの用法用量

はじめ1回量としてノルトリプチリン10〜25mg相当量を1日3回経口服用するか、またはその1日量を2回に分けて経口服用する。

その後、症状および副作用を観察しつつ、必要ある場合は漸次増量する。通常、最大量は1日量としてノルトリプチリン150mg相当量以内であり、これを2〜3回に分けて経口服用する。

ノリトレンの概要

ノリトレンは我が国では1971年に発売が始まった昔からある抗うつ剤です。しかし、何故かジェネリック品が一つも発売されていません。

ノリトレンは「三環系抗うつ剤」とカテゴライズされていて、その作用の仕方は 脳内の神経伝達物質である「ノルアドレナリン」や「セロトニン」の流れを良くして意欲を高めたり、 不安感をやわらげたりするといわれます。

ノリトレンの抗うつ剤としてのポジショニングとしては、 「不安・焦燥」を鎮めてココロを穏やかにするといった形よりも「意欲を出す」という方向に作用するタイプです。

ノリトレンはトリプタノールという抗うつ剤の流れを汲んでいる抗うつ剤であると言われており、トリプタノールの代謝物が成分であるとのことです。

ノリトレンには、緊張などをほぐす作用もあるので鬱病に限らず、 片頭痛やパニック障害摂食障害などの症状の緩和にも応用的に使われるようです。

巷ではノリトレンは最強のアッパー系抗うつ剤であると言われています。服用後、約1時間程度で最高血中濃度に達し、人によっては一気にテンションが上がることもあります。

ノリトレン服用によって、「躁転」、つまりは通常よりも元気な状態になりすぎた人の話を聞いたことがあります。人によって効果の出方は様々ですが、基本的にはやはり、ノリトレンはアッパー系の抗うつ剤であるようです。



ノリトレンの副作用

ノリトレンの副作用としては、「抗コリン作用」というものがあります。 抗うつ剤というものは、前述の通り、セロトニン、ノルアドレナリンにだけ働けばそれでいいのですが、 三環系の抗うつ剤というものはアセチルコリン受容体というものに結びついてしまって、 その結果、余分な副作用を起こしてしまうのです。

抗うつ剤がアセチルコリン受容体と結びついてしまうと、 心臓の動きが抑制されて胸が痛くなったり、内臓の筋肉の収縮を促します。

例えば、腸の運動が活発になってしまうと、大腸で水分が吸収されすぎてしまって、 便の水気が無くなってしまい、便秘に陥るケースが多くなるというものです。他にも多い副作用は、口渇、かすみ目、尿閉などですが、これも体内から水分が奪われてしまうことによって起こるのです。

その他にもノリトレンには「抗ヒスタミン作用」という副作用もあります。これは、過敏になってしまった神経を鎮静化させる働きなのです。不安・焦燥感が強い方には、この作用がプラスに出るのですが、 これが悪い方向に出ると、服用後の倦怠感や眠気といった副作用になってしまうのです。

強力な抗うつ効果が期待できるけれども副作用が多いというのがノリトレンの特徴と言えるでしょう。

とにもかくにも、ノリトレンの服用によって、眠気が発現する方もいらっしゃいますので、服用後は高所作業などの危険な作業はしない方が無難です。

また、ノリトレンは服用のしすぎによって、死に至ることがあります。これも三環系抗うつ剤の弱点でして、致死量の低さが問題となっています。

自殺願望がある患者さんの場合はクスリの管理をきちっと頼れる人に頼んだ方が無難です。

ノリトレンへの私見

私がノリトレンを飲んでいた感想としては、とにかく口が渇くけれども、確かに気分的には楽でした。意欲も出て、活動的になれました。

といった感じで、私の場合は、口渇以外はそれ程ひどい副作用も起きていないので、ノリトレンは、私には良くマッチした抗うつ剤だと思いました。




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