セディール/タンドスピロンクエン酸塩

セディール
成分(一般名) : タンドスピロン クエン酸塩




セディールの効能

心身症(自律神経失調症、本態性高血圧症、消化性潰瘍)における身体症候ならびに抑うつ、不安、焦躁、睡眠障害。
神経症における抑うつ、恐怖。

セディールの概要

セディールは我が国では1997年に認可された比較的新しい抗不安薬です。

セディール以前の従来の抗不安薬というものはベンゾジアゼピン系と呼ばれる系統のものが殆どだったのですが、このセディールはアザピローネ系と呼ばれる新しい系統のおクスリなのです。

この新系統の抗不安薬であるセディールは、今までのベンゾシアゼピン系の薬は、過敏になっていた神経を「抑え込んでいた」というアプローチを取っていたのとは異なりまして、脳内神経系の不安軽減に関係する穴を「狙い打つ」というアプローチを取っています。これがセディールの大きな特長なのです。

上記のようにセディールは今までの抗不安薬とは違った、全く新しい薬理を備えた薬なのです。

よって、セディールは、最近我が国に於いて続々と認可されているパキシル、レクサプロなどのSSRIや、サインバルタのようなSNRIと呼ばれる抗うつ剤などに組み合わせて、より多方面から「うつ」や「不安」の原因となる脳内機構に対してアプローチをかけてみようと考える、先進的な医師が処方するケースが多いようです。

しかし、患者の間ではセディールはあまり人気があるクスリとは言えないようです。そもそも、抗不安薬の人気というものは、作用時間が短く、そして、眠気イコール薬の効果と勘違いする方が多いため、短時間で効いてくれて、眠気がやって来るというクスリ、例えばデパスなどに集中するものなのです。セディールにはこういった要素が乏しく、患者には今ひとつ人気のないクスリになっています。

しかし、前述のように、セディールは革新的なクスリであることは、再度強調しておきたいと思います。



セディールの副作用と問題点

セディールは革新的な薬であることは申し上げましたが、もちろん欠点もあります。それは「即効性」が無いという点でしょう。これは私自身も感じたところです。私はパニック障害の発作時に服用したことがありますが、ワイパックスデパスのようにすぐに薬が効いてきて落ち着くということはありませんでした。

また、セディールの副作用ですが、セディールは革新的な薬理作用を持ちながらも、大変に安全性の高いおクスリです。ですから医師の処方通りに服用する分にはそれ程深刻な副作用は起こらないと思われます。

しかし、長年に渡って使用され続けられて来たクスリではないので、 他の抗不安薬よりも臨床データには不足するものがあるかも知れません。 ですから、服用によって何か不測の事態が生じた場合には、すぐに医師に連絡することが重要かと思われます。

セディールは発売当初は薬価の高さ(現在でもセディール錠10mgの薬価は31.2円と高め)がネックでしたが、近年は、ジェネリック品も流通しだしました。ちなみに10mg錠のジェネリック品の薬価は18.9円に設定されています。





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