ジェイゾロフト/セルトラリン




ジェイゾロフト
成分(一般名):塩酸セルトラリン

ジェイゾロフトの効能

うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害。

ジェイゾロフトの特徴・効果

ジェイゾロフトは2006年に我が国で認可された抗うつ剤で「選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)」と括られるグループの製品です。ジェイゾロフトは我が国では2006年になってようやく認可され、処方が開始されましたが、アメリカではゾロフトという商品名で1991年にはFDAから認可が下りており、アメリカでは既に幅広く処方されています。

ジェイゾロフトはセロトニン系と呼ばれる神経のみに働くという特徴を持っており、気分を楽にさせる作用のあるセロトニンを増やすことで抗鬱効果を発揮させようと言うアプローチを取っていますが、それ以外の「余計なところには作用しない」という特徴により、従来の抗うつ剤に多かった副作用(口が渇いたり、便秘、立ちくらみなどの症状が一般的です)の大幅な軽減を実現しています。。

ジェイゾロフトは、適応症としてうつ病及びうつ状態パニック障害が挙げられており、2015年には外傷後ストレス障害(PTSD)に対する効能・効果の追加承認を取得しています。また、アメリカでは強迫性障害の治療薬としての認可も受けており、その他にも摂食障害など、様々な心の不具合への効果も期待されています。

またジェイゾロフトは、作用時間が非常に長いため、一日1回の服用で済むというメリットもあります。

肝心のジェイゾロフトの効き目ですが、それほど強くはないと言うのが一般的な見解です。同じSSRIでもパキシルやレクサプロのほうが抗鬱効果は強いと言われています。 しかし、薬は強ければいいと言うわけでもありません。軽症の患者に強すぎる薬を出せばどういうことになるかを考えればわかりやすいかもしれません。 このような「強すぎず、副作用も少ない」特性から、ジェイゾロフトは「処方しやすい薬」として世界中で幅広い支持を受け、処方されています。

そして、ジェイゾロフトは三環系抗うつ剤などの古いタイプの抗うつ剤の最大の弱点であった「致死量の絶対値が低い」という問題点をある程度はクリアしています。しかしながら、薬というものは化学物質ですので、大量に人体にそれが取り入れられれば、よからぬ事態に発展することは言うまでもありません。



ジェイゾロフトの副作用

ジェイゾロフトは、副作用の少なさがウリと言われているのですが…、実際我が国で処方が始まると共に、 様々な副作用を訴える方がかなりいるようです。一番多いのは「飲み始めの吐き気」です。これは人によりますが、 2週間程度で治まると言われていますが、ずっと吐き気が続いてしまう場合もあります。

ジェイゾロフトで痩せたと言った話を耳にしますが、この吐き気によって、食欲が無くなり体重が減ったのをジェイゾロフトで痩せたと勘違いされる方が多いようです。 元々ジェイゾロフトなどの抗鬱剤は服用によって太る事の多い薬です。確かにジェイゾロフトは抗鬱剤の中では太りにくい薬ですが、少なくともジェイゾロフトには痩せる作用はありません。

また、ジェイゾロフトには、不眠を引き起こす副作用も見られます。ジェイゾロフトはセロトニン系と呼ばれる神経に働きかけますが、セロトニンを増やすこの作用により、夜になっても交感神経が優勢な状態が続き、眠りが浅くなってしまうというのがその原因になります。 服用量が体に合っていなかったり、ジェイゾロフト自体が体にあっていないなど原因は様々ですので、ジェイゾロフト服用によって不眠が生じた場合は医師に相談して対策を考えてもらうべきでしょう。

ジェイゾロフトを酒、すなわちアルコールと一緒に服用することはご法度です。酒はジェイゾロフトの副作用を増強する大きな原因となり得ることが分かっています。

ジェイゾロフトの薬価

ジェイゾロフトの薬価は高めで、ジェイゾロフト錠25mg101.3円、50mg錠175.9円、100mg錠305.4円となっていますが、2015年末頃から、ジェネリック医薬品が流通する予定になっており、患者の負担軽減が期待されています。

ジェイゾロフトへの私見

私もつい最近、このジェイゾロフトを処方してもらいましたが、服用して実際に感じたところは「作用の特異さ」でした。多種ある抗うつ剤の中でも、その服用によって一気にテンションが持ち上がるというものは基本的にはないのですが、ジェイゾロフトには無理矢理テンションを持ち上げられたような感じがしました。 国内で販売されている抗うつ剤の殆どを服用したことのある私ですが、ジェイゾロフトの場合は今までの抗うつ剤とは効き方が違うことが目に見えるように分かりました。これは抗うつ剤というよりは精神賦活剤では?といった感じを個人的には受けました。弱い薬と聞かされていただけに、予想外の結果でした。

また「クスリの切れ際の不快感」も感じました。朝に1錠服用すると、日中はかなり気分良く過ごせたのですが、夕刻過ぎ、そして就寝前辺りになってから、無意味なイライラ感に襲われました。そして、それがなかなか治まらずに、不眠へと繋がってしまったという悪循環でした。




戻る